地域が持つ魅力を最大限に引き出し、地域経済を活性化することと住まう誇りを醸成することをミッションとしている株式会社かまいしDMC。釜石に移住し、地域の生活向上や持続可能な地域づくりにも貢献することに尽力している社員の方に、働きがいや子育てとの両立について伺いました。
子育て中社員へのインタビュー
入社のきっかけ
入社したきっかけを教えてください。
2019年7月にオープニングスタッフとして入社しました。当時、出産したばかりでしたが、河東社長から「働いてみませんか?」とお声がけいただきました。元々根浜が好きでしたし、復興支援の活動や地域づくりの活動に参加していたことと、これまで海に関係する仕事をしてきたので、自分の経験が何か役立てられるならすごく嬉しいと思う反面、4ヶ月の子を抱えながら働けるのか心配でした。河東社長と相談する中で、「オープンしたばかりでもあるし、みんなでサポートする」と言っていただけたのでやってみようと思い入社しました。
海関係の仕事をされていたということですが、釜石で海関係のお仕事をされていたんですか?
元々フリーランスカメラマン兼ライターや編集の仕事をしていました。大学卒業後、出版社に入社し、ダイビングや旅行雑誌の仕事を通じて海と関わっていました。その後、フリーカメラマンとして活動をはじめましたが、震災前にバイオディーゼル車で世界を走ろうという山田周生さんのプロジェクトに撮影スタッフとして参加したことで、岩手とのご縁をいただきました。このプロジェクトでは、日本一周のスタッフのひとりとして参加していたのですが、たまたま 周囲では燃料がなく走れないとなった時に、廃油を集めてバイオディーゼル燃料を精製し、物資資を積み込み、初めて支援に向かった場所が釜石でした。釜石とは縁もゆかりもなかったのですが、周生さんのプロジェクトに参加しながら支援活動を続けているうちに、気づいたら釜石に住んでいました。
仕事内容
佐藤さんのお仕事の形態と内容を教えてください。
キャンプ場のオープン当時は、アルバイトとして働いていましたが、2020年から正社員として働いています。仕事内容は、根浜レストハウスの施設管理・運営や、体験プログラムのコーディネート、地域活動の参画など多岐にわたります。釜石市には、まち全域を「屋根のない博物館」とする「オープン・フィールド・ミュージアム釜石」 という観光地域コンセプトがあり、持続可能な観光「サステナブルツーリズム」の先進地でもあります。弊社では、それらを進めていく役割もありまして、それらの検討や調整役のひとりでもあります。
また、フリーダイビングインストラクターでもありますので、現場のインストラクター業から、プログラム全体のコーディネートなども行っています。根浜は、地元の学生が授業の一環として参加するような地域活動も多く、そのお手伝いなども行っています。
地域のお手伝いもされているんですね。
この施設は、キャンプ場であると同時に地域創生の拠点でもあります。そのためにも地域と協働することが大切であると考えています。もし、津波がきたら逃げるのは根浜の高台になりますし、地域住民の方々に助けていただかなければなりません。コーディネーターとしての仕事をする際には、地域の方に繋いだり、少しでも地域課題を解決できないか、よりよくできないかを考えながらお手伝いしています。
子育てとの両立
お仕事と子育ての両立はしやすいですか?
スタッフの皆さんが、とても理解があり、私の手があかない時は、さりげなく子どもを寝かしつけてくれていたり、面倒を見てくれたりと、とてもよくしていただいています。キャンプ場のオープンからしばらくは、コロナ禍も重なり、まだお客様も少なかったため、ここに子どもを連れてきていました。根浜の海開きなどでは、インストラクターの仕事もあり、その時に子どもの面倒を見てくれたのは根浜のお母さんたちでした。もちろんはじめての子育てをしながら仕事を進めるのは大変な面もたくさんありましたし、授乳もしながらでしたが、お客様の数がゆるやかに増えていく中、お客様も含めて皆さんが見守ってくださったことで、この場所で子どもの成長を安心して見届けることができたと思います。
会社というよりは、地域の方やお客様も含めて子育てしやすい環境だったんですね。
そうですね、そういう環境でしたね。自分がそういう環境で子育てをさせていただいたので、他のスタッフにも、みんないろいろな事情があるんだし、いつでも遠慮なく子どもを連れてきていいんだよと、お話しています。もちろん子どもを見ながらできる仕事や難しい仕事もありますが、みんなで思いやりをもって調整しながら、支え合いながら働けたらと。キャンプ場でもあるので、自然にも触れ合えますし、広場や砂浜で走り回ることもできます。こういう環境が増えていくと良いなと思います。
子どもに自然と触れ合ってもらいながら子育てしたい方にとてもおすすめですね。
とてもおすすめです。子どもをここに連れてくると、スタッフみんながコミュニティのように和やかに受け入れてくれます。「仕事だから」ではなく、話しかけてくれたり、遊んでくれたり少し離れたところで作業するときに一緒に連れて行ってくれたり、そんな日常の中で子育てができています。困ったら地域の方が助けてくれますし、子どもが泣いてたら声がけしてくれたり、本当にありがたいなぁと思います。私だけでなく、他の子育てしている方にとってもそういう場所になるとよいと思います。
子育てとの両立
今後、佐藤さんがやりたいことや挑戦してみたいことはありますか?
この場所を、安心して様々なことに「トライ」できる場所にしていきたいと考えています。ここ根浜シーサイドは、環境に関する国際認証のグリーンキー認証を取得しています。私自身も、元々自然が好きで、環境が良くなっていくとよいなと思っている中で、この認証を取得するためにトライすることができました。日本の中でも、5施設しかなく、キャンプ場としては日本初の認証になります(※)。釜石にいながら世界のスタンダードに触れることができますし、世界ではどんな方向で環境に関して取り組んでいるか、トライすることで実感することができています。(※2024年11月現在)
私のお友達のお子さんが障がいをおもちで、「障がいの有無に関わらず、みんなで見守り合って海に入れる根浜海岸になると良いよね」とお話していました。そのお話がきっかけとなって、そのお友達と一緒に取り組みを進めていて、どなたでも安心して参加いただけるインクルーシブお茶っこイベントなども関わらせていただいてます。障がいのある方、ない方が交流する中で、この施設に足りない部分も見えてきました。車椅子のままシャワー室に入れなかったり、小学生以上のおむつ交換用ベッドがなかったり、課題をどう解決していくか考えるきっかけにもなりました。
今年は、車椅子ごと海に入れるユニバーサルビーチ体験を、そのお母さんや地元のNPOさん、釜石ライフセービングクラブさんらと共に企画するに至りました。台風の影響で残念ながら開催は来年へと持ち越しましたが、私の中でも、新たな気づきがあったり、新たな仲間と出会う場になりました。
私自身、まだまだ模索中ですが、様々なことに「トライ」できる場所にしていきたいです。
後編では、代表取締役の河東さんに働きやすさに向けた取り組みや採用などについて教えていただきます!後編もお楽しみに!
インタビューを終えて – ママレポーターより –
ママレポーター:
やむを得ない場合は子供を職場に連れて来ることが出来て、みなさんが協力的。働きながら自然とふれあい子供の成長も見守れるなんて、とても理想的な環境なのでは、と感じました。仲間たちとの情報交換の中から、色んなアイデアにトライし、その実現が仕事に結びついている、というお話がとても印象的でした。“好き”を仕事にするのは時に難しく感じますが、それを自然体で叶えてゆく姿勢は、個人的にとても見習いたいです。取材中は「トライ!」と実際に何度も仰っていて、なんだか励まして貰ったような気持ちになりました。
ママレポーター紹介
ママレポーター 熊谷 ひろみさん
■好きなこと
美味しいものを食べること。読書。
■仕事&子育て失敗談
公園で子どもと遊んでいると、小学生に「何歳ですか?」と話しかけられました。
つい自分の年齢を伝えてしまいましたが、すぐに子どもの年齢だと気づき、顔から火が出そうでしたw
大変危ないので、気をつけます…。
■インタビューへの意気込み
妊活・妊娠・出産をする中で、少なからず職場でネガティブな経験をしました。働き方改革が叫ばれる中で同じような経験をした方とも、寄り添ってくれる企業を一緒に探してゆきたいです。
企業情報
法人名 | 株式会社 かまいしDMC |
代表者 | 代表取締役社長 河東 英宜 |
HP | https://kamaishi-dmc.com/ |
所在地 | (本社)岩手県釜石市魚河岸3-3 (釜石只越オフィス)岩手県釜石市只越町1-1-9 (東京オフィス)東京都中央区日本橋1-13-1 3階 |
従業員数 | 17名 |
Mission | 地域の持つ観光資源および地域産品の魅力を最大限引き出し、地域経済を活性化することを、そして住まう誇りを醸成すること |
業務内容 | ・旅行マーケティング事業部 ・地域商社事業部 ・地域創生事業部 |