子育て×お仕事応援企画

子育て×お仕事応援インタビュー Vol.5 株式会社青紀土木

社内初のパパ育休を取得。社員一人ひとりの生き方を大切にする職場

建設業という仕事を通じて、地域と釜石市民の暮らしを守り続けている青紀土木。今、地域課題の解決に向け、林業という新たな事業分野に参入し、釜石市の森林保全に取り組んでいます。育児との両立を図りながら、新たな事業にチャレンジする社員と、温かく社員を見守る青木社長に、働きがいや育児と仕事の両立について、ママレポーターとジョブカフェかまいしスタッフがお話を伺いました。

▲左から:青木健一さん(代表取締役社長) / 菊池蛍汰さん( 2020年11月入社) ※取材日:3月24日

入社のきっかけ

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レポーター

この会社を選んだ理由を教えてください。

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菊池さん

私は2020年11月に入社しました。釜石の出身ですが、高校卒業後、千葉県にある製鉄所で働いていました。結婚と妻の妊娠を機に釜石へのUターンを考えるようになり、釜石の企業の情報を集めていました。妻も岩手(北上市)の出身だったので、自分たちが育った自然豊かな環境で子育てしたいと思ったからです。そんな時、東京で開かれた釜石の企業の合同説明会に参加し、青木社長と出会いました。

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レポーター

参加企業の中から青紀土木さんを選ばれた決め手はなんでしょうか。

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菊池さん

もともと建設業に興味があったので青木社長とじっくりお話して、自分の考えを伝えることができました。その後、実際に現場を見学する機会をいただき、現場の皆さんともお話する中で温かくていい会社だなと思い、転職を決めました。

働きがいについて

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レポーター

どのようなお仕事をされていますか。

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菊池さん

入社直後は水門建設の土木工事の現場で作業員を担当しましたが、今は当社の新事業である林業に携わっているため、山林に入る毎日です。社長から新しい事業にチャレンジすると発表があり、誰も経験をしていない新しい分野にチャレンジしてみようと思いました。土木現場もそうですが、地形、木の生え方、風の吹き方など同じ現場はひとつもないところが面白いですね。

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青木さん

菊池くんには3人のチームでリーダーを任せています。土木は道具や工法も進化する中で効率的に作業しますが、林業の現場ではチェーンソー1本で、自然と向き合いながら作業します。
怖さや辛さもあると思いますが、3人が大自然の中で様々なことを感じながら厳粛な気持ちで仕事と向き合ってくれていることは尊いことだと思います。

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レポーター

土木とは別の新しい形で釜石を下支えされているんですね。

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青木さん

会社としては、新しいことにチャレンジすることも大事ですが、それよりも地域の課題に向き合うことが大事だと考えています。それが森林管理、林業の分野でした。3人とも未経験の分野ですが、使命感を持って仕事に取り組んでくれていることが嬉しいですね。

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レポーター

社長から新事業を任されていることはやりがいにつながりますか。

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菊池さん

新規参入の分野だからこそ、3人の新鮮な目で見ることができます。業界の常識に捕らわれず、土木の技術をこの分野にどうフィードバックしていけるかを考えることが大切だと思っています。作業を進化させて効率よく、安全を確保しながら、たとえば体力のない方でも働けるような業界にしたい、よい山づくりにつなげたいと思いながら仕事と向き合っています。

育児との両立

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レポーター

男性で初めて育休を取得したそうですね。

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菊池さん

2022年11月に2人目の子が生まれた際、社長に相談して2ヶ月の休みを取りました。最近、ニュースなどでも男性の育休の話題を目にすることが多くなったので、妻に聞いてみたところ、「取ってくれたほうがありがたい。当たり前でしょ!」と言われて(笑)。

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青木さん

今まで育休取得を申し出た男性社員はいなかったので正直驚きました。彼が育休を取った場合、会社をどう機能させていこうかという迷いもありましたが、ただ、リーダーがいないと仕事が回らないチームではダメだと思います。また、震災を経て、何より社員やその家族が大切で、社員一人ひとりが自分の生きている時間を大切にしてほしいという思いが強くなっていました。「家族と過ごす時間を大切にしたい」とUターン入社してきた社員の気持ちを受け入れてあげなければと考え、戻ってきた後の彼の頑張りに期待して、国が創設した「パパ育休」の制度を活用しました。

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レポーター

実際に育休を取ってみて何を感じられましたか。

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菊池さん

現在、2歳になる長男と生後4ヶ月の娘がいて、育休中の2ヶ月間、下の娘の世話を中心に、ずっと子どもと一緒に過ごしました。まだ言葉も話せない子どもと向き合うことで自分も学ぶところがたくさんありました。そして、冷蔵庫の中の残り物を使った料理がうまくなりました(笑)。

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レポーター

育休といっても、実際には休めないですよね。

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菊池さん

社長を目の前にして言うのもなんですが(笑)、少しは自分の時間も取れると思っていました。でも、ミルクをあげたり、寝かしつけたり……トイレに行く暇もないくらい時間が足りないことがわかりました。仕事はある程度自分の想定している方向で進んでくれますが、子どもは想定通りには動いてくれないので、正直、仕事をしているほうが楽だと思いました(笑)。「ママは休みがない」ということが身にしみてわかりました。「ママ、ありがとう」ですね。

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レポーター

育休を取ったことで、ご自身の中でどんな変化がありましたか。

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菊池さん

仕事に復帰して、心配になることのほうが増えましたね。育休中は、妻とふたりで子どもの面倒を見ていましたが、復帰後は妻が面倒を見る時間が増えたので、妻がどれくらいストレスを抱えてしまうのか、大丈夫かなって考えるようになりました。家に帰ると、「今日はミルクどれくらい飲んだの?」というように、妻との会話が具体的になりました。

職場の雰囲気 

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レポーター

職場の雰囲気で良いと思うところを教えてください。

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菊池さん

土木建設の業界は、まだまだ考え方が古くて固い方が多いという印象があったので、自分の考え方や育休を取ることに対して理解してもらえるのかなという不安はありました。でも、子育てをしながら仕事をしていく中で、社長や社員の皆さんの理解や協力があり、不安が払拭されました。育休も取れて子どもの面倒を見ながら、志をもって働けるところが良いところだと思います。

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レポーター

育休や子育てに対する社員の皆さんの理解があったんですね。

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菊池さん

先日、山に入っている時にまだ乳児の娘が入院するということがありました。山の中でしたが電波が届いたので妻からの連絡を受けることができ、会社と現場の2人のメンバーに相談して半休を取ることになりました。2人のメンバーも子育て中のパパなので理解があり、「いいよ、行ってきなよ」と言ってくれるので、柔軟に対応できますね。育休を取る際にも、社長の理解だけではなく、一緒に働く仲間の理解も必要なので2人にも相談しました。「子育ての先輩」なので、心強いですね。

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レポーター

今後、仕事と育児とを両立させたいと考える若手社員も増えてくるのではないでしょうか。

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菊池さん

自分自身、子どもと過ごすかけがえのない時間を持つことができたので、経験を通じて学んだことを後輩にも伝えていけると思います。社長も言う通り、「家族を大切にすること」がベースなんだよということ、仕事やキャリアも大切だけれど、あなたにとっては一度きりの人生、「自分のこと、自分の考えを大切にすること」の意味を伝えたいですね。

企業担当者インタビュー – 働きやすさへの取り組み –

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レポーター

働きやすさや子育てのしやすさに向けた取り組みはありますか?

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青木さん

社員一人ひとりが、自分の人生や家族と過ごす時間を大切にしてもらいたいと思います。たとえば、子どもの体調に応じて、あるいは、虎舞の練習の時間など地域活動に対応できるよう、時間単位の有給休暇を柔軟に取れるようにしています。公平性を担保しながら、その中で一人ひとりの生き方や生活を尊重していくことが大切だと考えています。
また、技術力で戦っている建設土木の業界こそ、女性が活躍出来る土壌があると思っています。最近、若い女性社員の1人が建設ディレクターという資格を取りました。現場の監督と役場の間に立って調整する職種です。現場に入らなくても成立する仕事なので、将来、結婚や育児休業などを経ても職場復帰しやすくなります。一人ひとりの特性や希望に応じて、長く活躍できる場所をつくりたい、スキルアップする機会を提供していきたいと考えています。
こういう考えを伝えた上で家族や自分の時間や生活を向上させるために、より仕事に集中して取り組んでもらう事、仕事を頑張るからこそ私生活も充実出来るようにしたいです。

震災を経験し、生きること、会社に集う事に対して考えさせられました。私にとって社員も家族と一緒なので、良いこともそうでないこともみんなで共有しながら一緒に前に進んでいきたいですね。

インタビューを終えて – ママレポーターより –

ママレポーター:
建設業の男性が2ヶ月間の育休を取得したと聞き、驚きました。
青木社長も菊池さんが取得希望を申し出た時は、とても葛藤したそうです。それでも、「家族との時間を大切にしてもらいたい」「新しい物事も受け入れていかなくては」という想いで送り出したと聞き、本当に素敵な一歩だったのでは、と感じました。
業界・業種や立場的な事を考えると、男性の長期育休取得は難しいのが現状ですが、周りの方々の協力の元で、男女関係なく、仕事も家族との時間も、両方の充実を求めていい時代になっているのかなと再認識しました。
自分の仕事と育児参加への気持ちを社長の前で力強く話す菊池さんは、沢山のパパママに見せたいぐらい、本当に素敵でした。

ママレポーター紹介

佐々木 江利さん 2人の子育て中ママ

▼好きなこと
景色のいい場所で、お弁当を食べること
▼仕事&子育て失敗談
朝、車で仕事に行く途中に、子供が乗っていないのに保育園に行ってしまった(旦那が送迎担当だったのに)
▼インタビューへの意気込み
比較的、穏やかな人間関係の中でしか働いてきませんでした。ギスギスした感じは苦手なので、インタビューを通して職場の空気を体感しお伝えしたいです。

企業情報

法人名株式会社青紀土木
代表者代表取締役社長 青木 健一
HPhttps://aoki-doboku.com/
所在地岩手県釜石市鵜住居町第6地割20番地1
従業員数39名(2023年4月現在)
基本理念いつでも1番に相談できる「地域の建設会社」として、皆さまの「安心」をこの手で支え、未来を共に築いていく。
事業内容建設業
 特定建設業: 土木一式、とび・土工、石、舗装、しゅんせつ、
        水道施設、解体
​ 一般建設業: 建築、管、造園
子育て応援に関する
主な取り組み
・時間単位での有給休暇取得の推奨
・社員の事情に合わせて突発的な休みでも柔軟に対応
・入学・進学・就職・成人などお祝い金支給
・社員のお子さんが18歳になるまでクリスマスに図書カードをプレゼント

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